​パコ・デ・ラシコ

君はまだ 夜の虚像

脳みそが仕立てた嘘

僕は抜けられない迷路

地に足もつけられないや

 

闇の中 雨は音

警報が 邪魔してる

夜明けまで針は踊る

秒針をレコードにして

 

僕らは

きっと会えないね

夜の行き止まりに

壊れたての月を見る

 

​

川沿いの置き去りのラジオ

今頃はなにを流してる

「捻くれた愛と尺度」

軒並みなど知らぬ癖に

 

僕らは

きっと会えないね

夜の行き止まりに

壊れたての月を見る

 

​

僕らは

きっともう会えないね

夜の行き止まりは

隠した指の 下ろした髪の

迷いも消させないから

 

​

ひとり

戻れないひとり

選んだものはきっと僕を選ばない

 

ひとり

もう嫌じゃないひとり

苦し紛れの息

吸って吐いて 吸って吐いて

​